例年は二月に行っていた船の整備と網の補修を、今年は今月にやっています。
非常に大雑把に書いた図ですが、我々が使っている網のサイズは長さが750メートル、深さが100メートルほどあります。
これを船から降ろし陸上で補修するわけですが、さすがに丸々一本そのままでは網のカサ(体積)が大きすぎて大変です。
上の図では描写していませんが、この網は全部で9本の網に分割ができるようになっているので、一本ずつ修理していきます。
これが9分割中の一本ですが、これでも90メートルあります。
(拡大して見るとずっと奥に人とトラックが写っています)
私達の作業は屋外なので、散歩中の人に話しかけられることがあります。
よく、「大きな網ですね」と言われますが、これが全体のほんの一部だと伝えると、とても驚かれます。
まあ確かに、東京湾の最奥部でこんな大きな網を使った漁業が行われているとは、意外に思う人も多いのでしょうね。
ちなみに網は、深さが約100メートルあるのですが、私たちが普段、漁をする海域は水深がせいぜい十数メートルです。
深くても30メートルほどまでが私たちの狙える魚の限界です。
なのになぜ深さ100メートルもある網を使うのかというと、網の構造上の理由からなのです。
網は構造上、伸びやすい方向と伸びにくい方向があります。
漁師としては、伸びやすい方向を網の全長に使い、伸びにくい方向を深さに使うのが一般的です。
まあ文章だけでは伝わらないでしょうし、いずれ、機があればイラストでご説明しようと思います。