2016.11.23 いか

イカがちょくちょく網に混じります。
イカと聞いて普通に思い浮かべるのはスルメイカのような細長いやつでしょうが、東京湾で主に獲れるのは「コウイカ」という種類で、こんな形のやつです。

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胴が肉厚で太く、足は短い。ころころとしてかわいいイカです。
2匹(2ハイ)写しましたが、このイカ達、体形は似ていますが種類が違います。
正式名称は上がシリヤケイカ、下がコウイカ。
ですが、私達は上をスミイカ、下をツノイカと呼んでいます。

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右がツノイカ(コウイカ)、左がスミイカ(シリヤケイカ)です。
コウイカ類は「ふね」と呼ばれる大きな骨のようなものがあるのですが、ツノイカの「ふね」の先端には尖ったツノがあるのです。
このツノは捌いていない状態でも触れば確実にわかるので、区別は容易です。
しかしこのイカ達は地方によって呼び方がまちまちで、私達がツノイカと呼んでいるコウイカのことをスミイカと言う場所もあるようです。
同じ魚でも地方によって名称が違うというのはよくあることですが、このイカ達を混同されたらうまくないです。
なぜならツノイカは、シリヤケイカ(私達のスミイカ)の3~5倍の値段で取引されるからです。
見た目はたいして変わらないのに値段に大きな差があるのです。
出荷される時には私たちの使う名称で出されるのだから、その先のスーパーや料理屋などでも同じ名称で売られるわけです。
すると、例えば旅行先のすし屋で「スミイカを握ってくれ」と言った時に、シリヤケイカとツノイカのどちらが出てくるのかわからない、ということになります。
安いシリヤケイカが出るか、お高いコウイカが出てくるか、どうなんでしょう?

このイカ達ですが、値段に3~5倍も差があるということは、スミイカ(シリヤケイカ)はまずいのか?と思われるかもしれませんが、全くそんなことはありません。漁師のひいき目(?)を抜きにして、普通においしいイカです。
では、ツノイカ(コウイカ)が絶品なのか?といえば、いやあ、うまいにはうまいけど、そこまででは、、、という感じです。私には。
刺身で食べるとスミイカは食感がねっとりとしていますが、コウイカはパキッというかコリッとした感じです。
どちらも甘くておいしいです。味は同じ。イカあじ。
もう一度言いますが、「味は同じ」。
なんでこんなに値段に差があるのか私にはさっぱりわかりません。
まあ私たちの漁獲では、スミイカ(シリヤケイカ)とツノイカ(コウイカ)は10対1くらいなので、ツノイカのほうが希少価値があるとはいえます。
でも、味が同じなら希少価値なんて関係ないですよね。
結局、わたしには値段の差の理由がわかりません。
スミイカ(シリヤケイカ)、おいしいですよ。