2022.1.8 長靴

新年早々、久し振りの大雪でしたね。

船にもしっかりと積もりました。

我々の船はFRP、繊維強化プラスチックという材質で作られており、表面がツルツルしています。

FRPは濡れていなければたいして滑ることはありません。

しかし寒い日にはうっすらと氷の膜が張っていることがあり、そんな時に気付かずにいつも通り歩こうとするとツルリと滑って危険です。

また、イワシのような脂が多い魚が大量に獲れた時は、網からこぼれた魚が踏まれてそこら中が脂まみれになり、船のアチコチが滑るようになります。

それゆえ船上で働くには、長靴はなるべく滑らないものを選んだほうがよいです。

長靴を買いに行くと、「耐油(たいゆ)」と書いてあるものがあります。
なんとなくアブラに強そうな語感で、滑らない長靴との印象を受けます。
しかしこの「耐油」の意味は「素材が油による劣化をしにくい」ということで、長靴自体の品質の説明です。

「履いて滑らない長靴」ならば、「耐滑(たいかつ)」というものになります。
耐滑とはあまり聞きなれないし、スマホやPCの一括変換でも出てきません。
造語なのかもしれませんが、一字ずつでも入力すればちゃんと耐滑長靴の商品ページが出てきます。

右側が耐滑、左側が耐油の底面です。
耐滑はグリップのゴムのパターンが細かいことがわかると思います。
(右はだいぶ使用しているため、ゴムがかなりすり減ってしまっています。新品だとゴムのブロックは一つ一つエッジがキッチリと立っています。)

耐滑長靴は滑り止め性能はとても良いのですが、いささか高価です。

船上で履く長靴は機械の油に魚の脂と、色々な物に触れるので、耐油性はできれば欲しいところです。
私の周りの漁師はほとんど耐油長靴を使用していますが、今までにすっころんで怪我をした人はいません。
「耐油」としか書いていない長靴でも、必要充分程度の滑り止め性能はあるということです。
なので、耐滑性はあれば快適なオプション機能、といったところでしょうか。

多くの人が「耐油」で満足できてしまうから、高価な「耐滑」には手を出さず、それゆえ耐滑は需要が伸びずコストダウンしにくいのかもしれませんね。

最後に。
わかった風な説明をした後で恐縮ですが、わたくし、昨日調べるまで、「耐油」を「耐滑」という意味でとらえ、使っておりました。
今まで新人相手に、「長靴は耐油を選ぶといいぜ!滑らねぇからよ!」
なんて、いかにもベテランを気取って言っておりました。
私のせいで耐油の意味を間違って覚えてしまった人達、ごめんなさい。