「大平丸ブログ」カテゴリーアーカイブ

2026.9.30 ネズミ被害

前回の記事でここ数年の9月は月に4回しか出漁していないと書きましたが、今年の9月も4回でした。
これで9月の出漁回数が4回というのが5年連続となりました。
こんなことは狙ってやることではないのに、5年も連続するとは不思議に思います。
千葉は9月初めは秋雨前線の大雨があり、それから台風25号による大雨があり、東京都では観測史上最長の連続降雨だったりと、とにかく天候が悪いです。
出漁したのは2日、3日、24日、27日です。
出漁回数は少なかったですが漁獲はスズキが多く獲れた日があり、そこまで悪くありませんでした。
3日の出漁から24日までは3週間もあいていたわけですが、こういう時に多いのがネズミ被害です。
船に人の気配が少なくなるからか、派手に網がかじられます。

これがかじられて破れた網です。こんなのが何か所もあります。

補修しました。

このかじられた網はアバシタと言い、海面スレスレの位置の網です。

ここには魚がくるまったりせず、また材質はポリエステルの為、栄養なんてありません。
なのでネズミはこの網を趣味でかじっていると思われます。
ほんとに勘弁してほしいです。
昔、港に野良猫が5,6匹住み着いていたことがあり、その時は船にネズミの被害が殆どありませんでした。
猫がいればネズミは居なくなるのか?というと、そうとも限りません。
実は今も2匹、港を拠点に生活している野良猫がいます。

しかしその2匹はかわいい為、近所の猫好きの人達が毎日餌をあげており、野生とは思えないほど太っています。

満たされている猫はわざわざネズミを狩ることはないのでしょう。

猫がひもじい思いをしていないのは良いことですが、せっかく港に住んでいるのだから本能的にでもネズミを狩ってくれないかなと思う次第です。

2026.9.19 9月の出漁回数

台風がまた関東に接近中です。

先月の千葉豪雨のような突発的な線状降水帯と違い、ある程度は対策が事前に取れるだけ少しはマシですね。



これを書いているのは19日ですが、今月は2日と3日の2回しか出漁していません。


そして今日から三連休で次の出漁予定日は22日になります。
22日以降の今月の出漁日は7日ありますが、そのうち何回出漁できるかはわかりません。

ちなみにここ数年、9月は時化がかなり多い月になっています。

ちょっと冗長に思われるかもしれませんが、ここ数年の9月の出漁回数を挙げます。最初の数字が9月の出漁回数で、その後の括弧内は参考までに8月の出漁回数です。


2025年 4回(9)
2024年 4回(8)
2023年 4回(6)
2022年 4回(6)
2021年 5回(8)
2020年 4回(8)

となります。 
2020年以降の9月の出漁回数はほぼ4回で、平均で4.1回の出漁です。


2020〜2025年までの6年分を見ましたが、もう6年遡ってみます。
2019年 8回(8)
2018年 9回(11)
2017年 6回(9)
2016年 8回(8)
2015年 8回(10)
2014年 9回(9)
です。
平均すると8回で、2020年以降の2倍、出漁しています。

更にもう6年遡ってみます。
2013年 8回(12)
2012年 10回(12)
2011年 9回(15)
2010年 10回(14)
2009年 12回(16)
2008年 15回(15)
でした。
平均10.6日で、2020年以降の2.6倍の出漁回数でした。

ここからわかるのは、2020年以降に出漁回数が減っていることです。

2020年といえばコロナ禍の始まりで、魚の売れ行きも相場も悪くなった年です。

しかしコロナ禍は2023年5月には終了しており、その後の年も出港は少ないことから、特にコロナ禍のみが出漁回数減少の原因とは限らないようです。

他に大きな出来事といえば黒潮大蛇行が2017年から2025年までありましたが、これは2020年以降には関わりなさそうです。

そうなると結局、9月の出漁回数減少は何が原因かは私にはよくわからないというのが結論です。

締まらなくてすいません。

しかし、出漁回数がこれだけ減っているにも関わらず、年間の水揚げ額は昔とそこまで大きな差はないのです。

それが意味するところとは、少ない出漁、網を張る回数でも魚がちゃんと取れている、つまり親方の腕が上がっているということになるんでしょうか。

いやあ、さすが親方!

素晴らしい!カッコいい!

一生ついていきます!!

と、盛大に媚びたところで本稿を締めます。

皆様、台風にお気をつけください。

2026.8.31 アカカマスとヤマトカマス

2種のカマスが網に入りました。

上がアカカマスで下がヤマトカマスです。

世間的にはカマスといえばアカカマスのことを指す場合が多く、相場はアカカマスがずっと高いです。

我々の網に入ってくる魚体のサイズは総じて、アカカマスが大きくてヤマトカマスは小さいです。

調べるとアカカマスは40cm、ヤマトカマスは35cm程まで成長するらしいのですが、私は25cm以上のヤマトカマスを見たことがありません。

なので私は今日調べるまで、ヤマトカマスが35cmにもなるとは知りませんでした。

この2種は外形はよく似ていますが、見分けるポイントはいくつかあります。

ネットで調べると一番にでてくるのが、背びれと腹びれの位置の違いです。

アカカマスは背びれと腹びれの位置がずれているのにたいして、

ヤマトカマスは揃っています。

他には色の違いも挙げられます。

活きが良くウロコがしっかりと付いている居る時は、アカカマスは金色でヤマトカマスは銀色です。

活きよく、とわざわざ書いたのには理由があり、ヤマトカマスは網から揚げるとすぐに見た目が悪くなってしまうのです。

身が柔らかいうえにウロコが落ちやすく、触るとすぐにウロコ無しの灰色っぽい魚体になり、我々でいう「ヒヤメシ」のような見た目になってしまいます。
(ヒヤメシとは、網にくるまってつぶれてしまったり腐ったりしてしまった、売り物にならずオカズにもならない状態の魚です。)

ヤマトカマスは別称をミズカマスといいます。

身がとても柔らかいのが水分の多さ故との考えから名付けられたのでしょう。

アカカマスは普通の魚と同じように刺身でおいしく食べられますが、ヤマトカマスを刺身で食べるのはちょっと厳しいです。

過去に試したことがありますが、味はともかく身がグズグズで刺身として楽しめませんでした。

ですからヤマトカマスは干物が向いています。

今回は干物を作る時間がなかったので、塩を多めに振って水分を抜いて塩焼きにしました。

食べた結果どちらもおいしかったですが、やはりアカカマスが身の風味と旨味が濃く、おいしかったです。

しかし今回はわざわざ食べ比べをしたからアカカマスのほうがおいしいとなりましたが、単独で食べればヤマトカマスも十分においしいお魚です。

2026.8.18 カエルアンコウ

先月の話なのですが、カエルアンコウが網に入りました。

獲れた場所は前回のメイタガレイと同じく木更津沖です。

私の記憶ではカエルアンコウが網に入ったのは初めてです。
なのでなんとしても写真を撮りたかったのですが、スズキ漁の最中では忙しく写真を撮る暇はありません。
なので活魚水槽に入れ、木更津から船橋まで連れてきてしまいました。
活かして連れてきて、その日は気温が30度越えだったので大急ぎ(15秒くらい)で写真を撮り、海に返しました。

東京湾を知る人からすると木更津に居た魚を船橋の海に離して生きられるのか?と思う人もいるかもしれません。

でも私は、このカエルアンコウに関しては大丈夫だと思っています。
何故かというと私は数年前、船橋漁港でカエルアンコウを見ているからです。
数年前の9月に、港に係留中の運搬船のカキ落としのために船橋漁港で潜った時のことです。

運搬船の舵(水中)の上にカエルアンコウがちょこんと乗っていたのです。

カキ落とし作業のために潜水したのでカメラを持っておらず、証明する手段がないのが残念ですが、確かに居たのです。

念のために生息域を調べると日本では全国各地に普通に生息しているとのことですが、今まで網に入ったことはないし、まさか東京湾の最奥にまでいるとは思いもしなかったので驚きました。

カエルアンコウは岩礁帯にへばりついて泳がないから我々の網には入らないだけで、実は東京湾内にもけっこういるのかもしれません。
とにかく見た目がかわいらしいカエルアンコウですが、一昔前は名前が違いました。
2007年にカエルアンコウという名前に変更されましたが、それ以前はイザリウオという名でした。
膝やお尻を床につけたまま前進する「いざる」という言葉があります。

時代劇や武道などで、正座をした体勢から腰を浮かせ、そのまま動く膝行(しっこう)という動作がありますが、それと同じ意味です。

泳がずにヒレを使って動くこの魚の特徴と合致しており、イザリウオと名付けられた理由に納得がいきます。

ただこの「いざる」という言葉が、足の不自由な身体障がい者を揶揄するような使われ方をすることもあったため、メディアの自主規制による放送禁止用語になりました。

そこでイザリウオの名もカエルアンコウに変わったわけです。

この名称変更当時は私はだいぶ違和感を覚えましたが、慣れた今となってはかわいらしい名前だと感じます。

2026.7.31 メイタガレイ

今月は時化が少なくスズキは大漁とはいかずともそこそこの量が獲れ、よい漁ができた月となりました。
今回はメイタガレイについて書きます。

6月半ばに書いた「いろいろなカレイ」という記事の中で、正体がわからないものがいました。

↓↓正体不明↓↓

その後の漁で獲れたカレイと照らし合わせた結果、メイタガレイでほぼ間違いないと思います。
このメイタガレイは私たちの漁で獲れることは滅多にないので、私は今回調べるまでこの魚のことを知りませんでした。
名前の由来はなんでも、両目の間にトゲがあり、そこを掴むと刺さって痛いから「目痛カレイ」と名付けられた、という説もあるそうです。
右がメイタガレイ、左はマコガレイ
このカレイは皮が硬いのが特徴だそうで、捌いてみたら実際、なんの抵抗もなくツルリと皮を手で剥ぐことができました。
ヒレの部分の薄い膜も面白いようにきれいに取れました。
二尾あったので刺身、塩焼き、煮付け、から揚げとフルコースを作りました。
まず刺身を食べたところ、あまりのおいしさに驚きました。
白身魚の旨味がとても濃かったのです。
私が今まで食べた白身魚の中でも1,2を争うといえるほどの強い旨味が口いっぱいに広がりました。
今回食べた魚は漁獲した日に頭と内臓を取って、キッチンペーパーでくるんで4日間冷蔵庫に入れていたのを捌いたものでした。
4日間置いたことで熟成して旨味が強くなったのだろう、と思う向きもあるかもしれませんが、それだけにしては強すぎるほどの旨味でした。

これは熟成していない獲れたての味をぜひ検証したいものですが、先ほど書いたようにこのメイタガレイは我々の網にはそうそう入らないのがもどかしいところです。
唐揚げにした中骨はパリパリ、身はホクホクでおいしく、
煮付けは味よく身離れよくパクパクと頂けました。
刺身が際立っておいしかったものの火を通したものは普通のカレイと同じおいしさでした。
ここが少し不思議なところで、刺身が特筆級においしかったのに火を通すと普通の味になってしまうことなんてあるんだろうか?と我ながら疑問に思います。

味に関しては次があれば試食の仲間を増やして検証したく思います。

この今が旬のメイタガレイ、スーパーなどでは見かけないでしょうが、釣り人なら是非とも狙う価値のあるおいしい魚と断言できます。

2026.7.17 ギマの味

スズキ漁が本番の夏ですが、漁獲は数トン獲れる日があれば数百キロしか獲れない日もあり、波が激しく素直に好調とは喜べない感じです。

今回はギマについて書きます。

私は10年前にギマを一度食べたとき、味が全くしなかったので興味を失い、それ以降はこの魚を相手にしませんでした。

しかし二週間ほど前に網に入った大きなギマが何となく気になったので持ち帰って食べたところ、甘くておいしかったのです。

そこでギマを再評価するべく、丁寧に鮮度よく持ち帰って調理することにしました。

味の比較をするために活締めと野締めを用意しました。

活締めと野締めの刺身と塩焼きを作りました。

まずは焼き立ての熱い塩焼きを食べたところ、淡泊ながらもおいしかったです。

これは刺身もおいしかろうと、まずは活締めをウキウキしつつ食べたところ、、、

味がしません。

うそでしょ?と思い二切れ、三切れと口に運び、真剣に噛みしめ、ワインのテイスティングの如く口の中で転がしまくって少しでも味を感じようと試みましたが、、、

無味。

ほんとに何の味もしません。

ただ、歯応えはとても良いです。
噛みしめるたびに柔らかく優しく歯をはじき返す弾力が心地よい。

味がないと書きましたが、醤油をつけているので醤油の味だけはちゃんとします。

無味の弾力性がある薄切れの物体に醤油をつけてひたすら噛みしめるという、なんとも不思議な体験をしました。

私ひとりの味覚ではあてにならないので翌日、仲間2人に試食してもらったところ、2人ともに「全く味がしない」との評価でした。

結論、今回のギマは味がしませんでした。

初めに食べた塩焼きがおいしいと感じたのは、もしや私が使った塩がアジジオだったせいで、旨味が足されていただけだったのかもしれません。

前回のギマは本当に甘くておいしかったのです。仲間1人にも食べてもらい、「甘くておいしい」と評価され、こんなにおいしいならギマを今後は売れるかも?と胸を躍らせながら今回の試食に臨んだのです。

邪魔なトゲをニッパーで切り、キッチンの排水溝を詰まらせるほどの大量のヌルを処理し、ヌルが身に付かないように周り中を丁寧に洗ってからやっと捌き始める。
そんな手間をかけた結果が「無味」です。

今回のギマの試食は残念な結果となりました。

しかしながらまだ思うところがあるので、またいずれギマについて書こうと思います。

 

2026.6.30 台風一過の海  ギマの刺身

台風7号と8号が1日で関東を通過しました。


1日に2つも台風が通過するなんて中々ないことだし被害が大きそうでこわかったですが、結果的に台風がそれほど強いものでもなく、関東周辺はそこまで大きな被害はなかったようですね。

台風通過後は通常、しばらくは出漁しません。


うねりが残っていたり、大雨で川から真水が流れ込んでくるせいで海の潮流が滅茶苦茶になったり漂流物がすごかったりと、まともに漁ができないからです。
しかし今回、親方は思うところあり出漁しました。

画面が小さいので分かりづらいとは思いますが、これが台風直後の海です。



漂流物だらけだし川から流れ込こんだ土砂で抹茶色です。


しかし上の漂流物の大半は竹のような軽い物体で、船にぶつかってもたいしたダメージはありません。

問題は下の写真です。
海面にちょっとした物が浮いているよう見えます。


拡大すると、直径40cm、長さ3mくらいの流木ということがわかります。



流木は水に浮きこそすれ重くて硬く、全速航行中にこんなものにぶつかると船体やプロペラに大きなダメージを受けます。

昼間なら船首の見張りが気付くでしょうが、月明かりのない夜にこんなものは発見できません。

台風直後の海はこんなものがそこら中にあるので、航行するだけでも危険なのです。

しかし今回は親方の考えが上手くあたり、トラブルもなく漁獲も好調で良い漁ができました。

話は全く変わりますが、大きなギマか網に入りました。

ギマは10年前に記事にしたことがありますが、強靭なトゲを持ちネトネトの粘液を出し売り物にもならない、我々の漁には害しかない魚です。

今回ふと手にしたギマが、身が太っていて何となく気になったので持ち帰り刺身にしたところ、なんとも甘くておいしかったので驚きました。

10年前に記事にした時にも食べたのですが、その時はなぜか全く味がしなかったのですが。

今回はこれくらいにして近々ギマについてまた書こうと思います。

2026.6.16 いろいろなカレイ

四月からは近場でコハダ狙いの漁をしていましたが、そろそろコハダの需要が下火になってきたので、漁場を少し南まで広げて他の魚種を探ることにしました。

東京湾は南に行けば行くほど網に入る魚種が増えます。

この日、一回の網で四種類のカレイ目(かれいもく)の魚が入りました。

1番はイシガレイ。
イシガレイは背中の部分に非常に硬い突起があり、この特徴さえ知っていれば間違いようがありません。
このイシはとても固く、下手をすると包丁の刃が欠けるので、捌くときには注意が必要です。

2番はマコガレイです。
私としては外見的に「The・カレイ」と呼びたくなる、標準的なカレイの形をしていると思います。
私が漁師になった25年前にはよく見かけましたが、ここ十年くらいは巻き網ではあまり見かけなくなりました。

3番はウシノシタです。
正式名称はクロウシノシタですが、フランス料理で「シタビラメのムニエル」として出されているのがこのウシノシタです。
シタビラメと呼称されてはいますが分類学ではカレイ目ウシノシタ科なので、カレイの仲間として扱っています。
とてもおいしい魚です。

さて最後の4番目ですが、正体不明です。

体表がやけに荒れていますが、これは網でこすれてしまったのか元からこうなのか、わからないのです。
体型はカレイの標準型に比べ菱形っぽさが強く、イシガレイでもマコガレイでもないと思います。

そこでこの4番の写真を切りぬいて画像検索してみました。

すると、「全体的に黒いのでカラスガレイです」
と判定されました。

なるほどと思いつつカラスガレイの写真を検索してみると、この4番とは似ても似つかぬ細長いカレイでした。

カラスガレイではないのは明らかなのでもう一度4番の写真で画像検索をかけてみると、今度は「これはナメタガレイです」と判定されました。

そこでナメタガレイの写真を調べてみると、これまた4番とは体型が全然違うカレイでした。

同じ画像で同じアプリで検索したのに、一回目と二回目で全然違う結果が出ました。

じゃあもう一度検索したらどうなるのかと試したところ、

「これはクロガシラカレイです」
と言われました。

どないなっとんねん。

まあ、ピンボケ気味でハッキリしない写真だからしょうがないですね。
次に4番のカレイが獲れたら、その時は丁寧に写真を撮り、特徴も把握して何カレイか調べることにします。

 

2026.5.30 コハダとサッパ

暑くなってきて例年であればスズキ漁に活気が出始める時期なのですが、今のところスズキの売れ行きがよくありません。
常磐や日本海側などあちこちでスズキが多く揚がっているからのようです。

なので今はコハダ漁をしています。
ありがたいことにそこそこ獲れており、スズキが売れない代わりになってくれています。

コハダ漁をしているとサッパも網に混じってきます。

サッパというと岡山県の郷土料理の「ままかり」が有名ですが、東京湾にもけっこう生息しています。

先日、ある釣り公園のサイトを覗いていました。
そこには釣り人が自分の釣果を写真付きで載せるコーナーがあり、それを見ていたところ、
「コハダが大漁!!」というタイトルで大量のサッパが写っている写真がありました。

投稿したのは釣りの初心者なのか、コハダとサッパを間違えて覚えてしまっていたようです。

でもその間違いもわからなくはありません。

こうして並べてみれば違いはハッキリとわかります。
背中に点線が並んでおり、背びれの一部が長いのがコハダです。

しかし魚の模様って、小さい頃は大きなものと比べて不鮮明だったりします。

上の写真の上の魚を、瞬時にコハダかサッパかを言い当てるのは私には難しいです。
(正解はコハダです)

背中の模様と背びれの他の違いといえば、あとは顔つきです。

どの写真も上がコハダで下がサッパです。
コハダの口は下方向に開き、サッパの口は上方向に開きます。
この口の開き方の違いのせいで、アゴのラインがコハダとサッパで異なります。

とまあ、違いはあるのでじっくりみれば判別は難しくはありませんが、一番最初に間違って覚えちゃったらそれはもうどうしようもないですね。

2026.5.16 初漁の一番目

4月いっぱいの整備期間を終え、5月6日に1カ月ぶりの漁に出ました。

毎年の事ですがこの一カ月ぶりの出港の1番目の網を張る時、私はとても緊張します。

私達の使う全長750メートルの網(あみ)には、揚網(ようもう)作業の為に100本以上の綱(つな)がついています。その綱ツナは網アミの補修の際に全部取り外し、補修が終わってからまた取り付けます。

取り付けの際にこの綱ツナの取り付け位置や順番を間違えて絡まったりしてしまうと、網アミを張る時に大きなトラブルを起こし、網アミが切れてしまうおそれがあります。

逆網(サカアミ)の綱ツナの取り付けは私の仕事です。

1カ月かけて新品同様くらいにきれいに仕上げた網アミを私のミスでビリビリに破いてしまったら、もう当分の間立ち直れません。

取り付けにミスがあったかどうかは網を張るまでわからないので、1回目の網がトラブルなく揚がりきるまで、私はいつも落ち着きません。

まあ私が心配性なだけでそんなトラブルはそうそう起こらず、無事に初日の漁を終えました。

初日はスズキとコハダがほどほどに漁獲でき、その後も海の様子はそれほど悪くありません。
しかし例年に比べて魚の売れ行きがかんばしく無いうえ、更に中東情勢の悪化の影響もあり漁にはまだ活気が出てきません。

中東情勢の影響とは船の燃料費は言うに及ばず、我々の商売に必要不可欠な発泡スチロールの値段が3割以上もあがってしまったことです。

鮮魚を出荷、販売するうえで必需品の発泡スチロール、原料は石油です。
スズキにしろコハダにしろ他の魚にしろ、水揚げした魚は殆どの魚種を港で発泡スチロールに詰めてから市場に出荷します。

発砲スチロールの費用はこちら側(水産会社)持ちです。
つまり魚の卸値に含まれるわけですが、ただでさえ魚の売れ行きがよくないのに発泡スチロールの値上げ分を転嫁しようものなら、一層売れなくなってしまうでしょう。

天井まで高く積み上げられた大量の発泡スチロールですが、魚種と漁獲量次第では2回の漁で使い切ってしまいます。

必需品の値上がりは本当にどの業界にとっても死活問題ですし、早く落ち着いてほしいものです。