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2020.1.18 コノシロ漁

正月明けもコノシロは居ました。
まだ2回しか出漁してませんが、私が2001年に入社してからの1月としてはすでに過去最高の水揚げとなっています。
コノシロはまだ居続けそうな気配なので、今月が終わるまでにはかなりの漁獲が期待できそうだと、私は思っています。

まあ過去最高とか言っても、私の知る限りでは1月に出漁するようになったのは10年前からなので、まだたいして日は経っていないのですが。

ちなみに昔、出漁していなかったときは何をしていたかというと、
1月・2月で船の整備と網の補修をしていました。
網の補修ですが、昔は仕事の早いベテランが多くいたので、1月中には終わっていました。
網が終わっても整備のほうは仕事がたくさんあるのですが、ベテラン達は網が終わった後は仕事を休みにし、3月までのんびりしていました。
(船橋巻き網は2月は出漁しない決まりがあります。理由は知りません。)
この2月、休めば当然給料は出ないのですが、しかし昔は夏場にかなり稼げたので、寒い中で働くより実家でのんびりするほうがいいというのがベテラン達の考えでした。

ここ数年、夏場の稼ぎが以前に比べてかなり少なくなっています。
個人的には魚の減少というより、時化の多さによるところが大きいと思っています。
今後も気候は激甚化していくと思われるので今年の夏・秋にどれだけ出漁できることか、予測はつきません。
まああまり先のことで不安になってもしょうがないし、とりあえず今月いっぱい、コノシロ漁を頑張りたいと思います。

2019.12.29 今年の漢字

大平丸の今年一年を漢字一文字で表すならば。
私は
「鮗」
を強力に推したい。

魚へんに冬と書いて「コノシロ」と読みます。

今年は稼ぎ時である夏から晩秋にかけて天候不順が続き、思うように出漁できず水揚げ高はここ二十年で最低レベルでした。

しかしこの12月。
例年ではほぼ消化試合に近くたいした水揚げのない12月に、コノシロ漁が好調になり、夏場の不足分をだいぶ補う漁獲をあげることができました。

今回、コノシロが獲れた漁場が総じて港の近くであり、運搬船の積載量やピストン輸送の手間などにおいて有利な条件であったことも好調の一因といえます。
もし漁場が片道2時間かかる場所であれば、時間やその他諸々の要因によって今回ほどの水揚げ量には至らなかったと思います。

2019年の漁は終わりましたが、最終的には結果を出せた上に、今年も無事故で皆たいした怪我(※)もなく終えられたことが嬉しいです。

来年も無事故・豊漁を願います!!

(※)
「たいした怪我」とはどの程度のものかに対する考えは人それぞれでしょうが、ここでは人命に関わる、後遺症が残る、入院する、骨折する、ことを言っています。
わざわざこんなことを書く理由は、今年は若者が4人、アカエイに刺されているからです。

http://daiheimaru.com/daiheimaru/1431/
アカエイに刺された記事

刺された当人からするとあの痛みはたぶん、年間で1,2を争うものだったはずなので、その痛みを「たいした怪我ではない」といわれたら悔しいかな、と。
まあ別に当人たちに聞いたわけではないので実際にどう感じているかはわかりませんが、アカエイ刺され経験者の私としてはそうおもうのです。

2019.12.15 コノシロ好調

12月に入ってからコノシロ漁が好調です。

コノシロは大きな群れを作るため、うまくいくと一回の網に数十トン入ります。

締め上げた網にタモを入れ、魚をすくうところ


運搬船のキャパシティーを超える量が網に入った場合は、予備の運搬船を出動させたり、さらに一度満船にして帰港した運搬船が荷を降ろしてからまた沖に出る、いわゆるピストン輸送をして魚を運びます。

予備の運搬船に魚を積んでいるところ。
画面左f側がいつもの運搬船。

まだ月も半ばだし、この漁獲ペースが維持できれば12月としては稀にみる漁獲高が期待できそうです。

私達の給料体系では、ひと月の漁獲高が一定額を超えるとボーナスが出ます。
そのボーナスラインの漁獲高は一か月ごとにリセットされます。それゆえ月の前半から漁獲が好調だと、ボーナスへの期待が膨らみます。

しかしまあ、ちょっとひねくれた物言いをしますが、ここ最近のパターンでは残念ながら好調は長続きしないのです。

なので、過度な期待は持たないほうが獲れなかった場合の落胆が少なくてすみます。

ここ最近、月の前半に良い漁獲がありながらそれが後半は続かなかったり、時化が続いて出漁できないなど、肩透かしを食らうことが多々あり、どうせなら最初から期待なんてしないほうがいいという、負け犬根性のような悲しい気配が私の心の奥にそこはかとなく漂っています。

いや、
でも!
しかし!!

今月に入ってからのコノシロの漁獲量は、私が大平丸に入って以来、初めての量です。

今年の出漁日は予定表では残り10回ありますが、そのうち何回出漁できるのかは、天気と漁獲次第です。
まだまだコノシロはいると期待して、今年の終わりまで頑張りたいと思います!
結果は2週間後に書きます。

2019.11.30 網の穴

寒いですね。
東京湾も冬の海の様相を呈してきました。

私の漁師カレンダーでは今は、コノシロが獲れる、獲りたい時期です。他に良い稼ぎになる魚なんて、イワシが偶然回遊してくるくらいしかいない、というのが私の経験です。
と言ったものの、数年前からサワラや太刀魚の群れがどんどん北上してきて、ここ最近は湾内最奥部でもかなり獲れており、今の時期でもまだ獲れます。
色んな釣りブログやYouTubeなどでもこの情報が広められており、浦安沖あたりでは釣り船やプレジャーボートが今までみたことないくらいひしめきあっています。

11月になってから2回、コノシロのみを狙って漁に出ました。
結果は1日は運搬船が満船になるほど獲れましたが、もう1日は外れでした。
外れとは数トン程度しか獲れず、手間の割にはたいして稼ぎにならなかったということです。
コノシロ漁は、中途半端な量しか獲れないと手間だけかかってあまりメリットがないのです。
今の時期、湾内にコノシロの絶対量は多いのは間違いありません。しかしコノシロの群れの大きさや居場所は様々な要因で変化するので、出漁すれば大量に獲れるわけではないのです。

まあつまり、サワラやコノシロなど、魚は居るにはいるのです。
しかしこの両方が同じ漁場にいた場合、どちらを狙うべきか、これがちょっとした悩みどころなのです。
過去にも書きましたが、サワラが大量に獲れると、網を穴だらけにされてしまうのです。
コノシロは小さく、サワラでは抜けない穴からもどんどん出て行ってしまいます。
サワラを獲ったあとの網ではコノシロをまともに獲れないのです。

では実際に網を見てもらいましょう。

分かりづらいかもしれませんが画面全体に網が広がっています。そしてこの、ところどころ見える赤いスジみたいなものが、補修した箇所です。

拡大するとこんな感じ。
サイズ比較用に置いてある長靴は26センチです。

そして、この補修の糸を取り除くと、こんな大きさの穴になります。


穴の大きさはせいぜい10センチほどですが、スズキやサワラなど大きな魚でも、頭からスルンと抜け出てしまいます。

サワラにはこんな穴を次々と開けられてしまいます。
本当は網の穴は「きおり」という技術でちゃんと網の目を作って直さねばいけないのですが、キオリは時間がかかるので、海上では「沖セバ」という応急の補修をするのみです。
写真のこの網は魚を最終的に追い込む「りょうどり」という場所に使われているもので、他の部分より太い糸で作られています。
それでも、サワラが入ればあっというまにボロボロにされてしまいます。

しかし、サワラだけを相手にするなら、ボロボロの網でもなんとかごまかせるのです。
サワラは各個体が大きいし、一回の網で多くても数百キロしか入らないので、大きな穴さえ沖セバでふさいでおけばそこまで大量には逃がしません。

問題なのは、この状態の網に大量のコノシロが入った場合なのです。
魚が数十トン単位で入ると網の目への負荷は大きくなるので、沖セバで大雑把に直したところは破損しやすくなります。
そして沖セバが弾けた箇所からは、小さいコノシロは怒涛のように逃げていきます。
つまりコノシロを狙う網には、沖セバはあってはならないのです。

出漁してどの魚を狙うべきか、ほんとに親方(おきえ)の判断は難しいです。

今回の記事の参考に「きおり」と「沖セバ」の写真を撮りました。
同じ大きさの穴が二つあり、これを直します。

左がキオリ、右が沖セバです。
キオリは元と同じ網になるけれど、沖セバは無理やり左右を引っ張ってくっつけているのがわかるでしょうか。これは「つれる」という状態で、この部分の強度はがた落ちです。
まあまたの機会に詳しく書きたいと思います。

番外編

このキオリと沖セバの写真のために港で網を広げてました。
ちょうどキオリが終わった時に、野生の獣に襲われました。

獣は私の腹に散々アタックした挙句、網の上にどかっと居座りました。

私「こら。邪魔だ。どきなさい」ペシッ

猫「にゃーん」ペロペロ

うむ、言葉が通じない。しょせん獣だな。
どかないので、無視して沖セバをしました。

めっちゃ見てる。
なかなか勉強熱心だなお前!

2019.11.16 サゴシ

秋口になってからサゴシがよく獲れます。

サゴシとはサワラの小さいもののことです。
ネットで調べると、50センチまでをサゴシ、70センチまでをヤナギ、それ以上をサワラと呼ぶのが一つの目安のようです。

ちなみに私、今回の記事を書くために調べるまで「ヤナギ」という呼称を知りませんでした。私のまわりでは卸会社の人も含め、この魚に対して「サワラ」と「サゴシ」という区別しかしません。その前提で話をすすめていきます。

魚のサイズ別の呼称に統一規格はありません。

この写真のものは70センチあります。

通常ならサワラとして出荷されるサイズなのですが、11月初旬のこの日はサゴシで出荷されました。
今年は全国的にサワラ・サゴシの水揚げが多いそうです。
そうなると売れるのは必然的に鮮度とサイズがより良いものとなります。
サゴシからサワラへ昇格するハードルの高さはその時の漁獲の中で相対的に判断される場合が多く、漁獲が少ない時にはサワラとして充分に認められるサイズのものでも、多いとサゴシ扱いになってしまいます。
この魚は大きいほど脂がのって価値が高いので、サワラとサゴシでは単価が大きく違ってきます。

ここでちょっと不便なことがあります。
「サゴシ」のサイズの範囲が広すぎるのです。

40センチくらいのものが獲れることがありますが、サワラとしては小さすぎるので価値は低いです。しかしその小さいものも70センチの大きいものも、どちらも名称は同じ「サゴシ」です。
それゆえ「サゴシが獲れた」といっても、詳細を聞かねばその魚体のサイズがどれくらいなのか、わかりづらいということです。

スズキならば、セイゴ フッコ スズキ
ブリなら ワカシ イナダ ワラサ ブリというように区別されており、名称を聞けばだいたいの大きさの目安はつきます。

日本中の漁師および魚屋に「サゴシを用意してくれ」と言ったら、どうなるだろう。
いったい上から下でどれだけサイズに幅が出るのか、気になるところです。
それぞれの立場や状況によってかなりの差異が出ることでしょうな。

2019.10.30 2019年の10月

前回記事を書いたのは巨大で強力な台風19号が関東を直撃する直前でした。
その時は被害を覚悟していましたが、結果から言えば船橋周辺では私の知る限りではたいした被害はありませんでした。
しかし、強風による破壊や豪雨による浸水など、目に見えるような被害はなかったものの、間接的とはいえ台風19号とその後の21号の影響により、私達船橋巻き網は実に3週間も出漁できませんでした。3週間も沖に出なかったのは、私は初めての経験です。

関東地方で大雨が降ると、その水は川を下って東京湾に流れ込みます。豪雨の場合、多い雨量は川幅を広げ、河川敷にある物体を流れに巻き込んでいきます。
その結果、豪雨の後の東京湾海面には流木や草木が大量に浮いているのです。

それだけではなく海水(塩水)の湾に多量の真水が流れ込むのだから、塩分濃度がかなり変わります。
魚の動向はもちろん、潮の流れすら変わってしまいます。
「潮の流れ」なんて漁師や釣り人しか意識することがないでしょうが、魚を獲るためにはとても重要なことです。

ここ数日、やっと台風の影響が落ち着いて出漁できました。
漁の結果は、スズキとコノシロがまあまあ獲れたといったところでした。

前回の記事で次は真鯛について書くと宣言してましたが、ちょっと事情があり真鯛についてはまた別の機会に書こうと思います。

2019.10.11 台風19号

超大型の台風が関東を直撃寸前です。

私達は昨日のうちに荒天準備を終えました。
荒天準備とは文字通り悪天候に備えることで、私達の場合は係船索を通常の倍に増やし、船を厳重に固定します。

荒れた天気と書いて「こうてん」と読みますが、好い(よい、このましいの意)天気、好天と書いても「こうてん」と読むんですよね。
発音はどちらも同じだし、考えてみるとややこしいですね。

それはともかく、中心気圧が950ヘクトパスカルより低いままに関東に上陸してくる台風なんて初めてなんじゃないでしょうか。
率直に言って私、今年は千葉県に多大な被害を与えた15号が最強で、これ以上大きな台風なんてないだろうと、勝手に思っていました。そしたら今度は、さらに強力なやつがまた似たようなルートで来ることになりました。
千葉県民にとって泣き面に蜂状態です。

ただひとつだけ救いがあるとすれば、予報のおかげで来ることが分かっていることでしょうか。
自然現象だから、起こることは起こる。防ぎようがありません。
しかし地震と違い、かなり正確に起こることが予測でき、対策もある程度はとりようがあります。私も停電・断水に備えて個人的に色々と準備をしました。
ちなみに私の住んでいる近所には大型ホームセンターが2軒と、日本最大級の100円ショップがあります。
いずれの店でも「養生テープ」が売り切れており、100円ショップでは乾電池コーナーが売り切れで空っぽでした。
皆、台風に備えている証ですね。

本当は今回、真鯛について書きたかったのです。
今月の初め、私が入社して以来最大量の真鯛が獲れました。
その記事はいずれ、今回の19号通過が落ち着いてから書こうと思います。

2019.9.30 

千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号の通過から2週間ほどは、私達はまともに漁ができませんでした。
海面に漂う大量のゴミや台風と豪雨の影響による潮の速さなど、網を張るのに不都合な要因の他に、魚自体がいつもいる場所からいなくなってしまったのです。
ここで言う魚とは私達のメインターゲットのスズキのことですが、いなくなったといっても東京湾から出て行ってしまったわけではないようです。
先週のある夜、港のすぐ近くの川の水門あたりで数百尾のスズキの群れが泳いでいるのを見ました。
今の時期、スズキは餌を求めて陸近くまで来ます。毎年、今の時期にこの場所にスズキが居るのは珍しくないのですが、数百尾もいるのは初めてです。
親方曰く「沖の水を嫌って逃げてきたんだろう」とのことでした。
湾奥にそそぎこむ川は数多くあります。私達の目についた場所だけで数百尾のスズキがいるのだから、あちこちの川に逃げ込んだスズキの数は相当なものだろうな、と思います。

そしてここ数日の出漁ですが、台風15号通過から約三週間たち、やっと海の様子がよくなり始めてきたような感じです。
スズキがいくらか沖に出てきたし、青物が獲れるようになりました。
主な青物はサバ、ワラサ、アオアジ、サワラ、サゴシ(サワラの小さいもの)です。
特に今日はサゴシが私にとって過去最多の量が獲れ、この魚が湾奥にこれほど入ってきたことに驚きました。
私がこの大平丸ブログを書き始めたのは3年前からですが、その時あたりから「ブリや太刀魚、サワラなど、今まで湾奥では見かけなかったものがここ数年、入ってくるようになった。環境変化のせいだろうか」と何回か書いてきました。

しかし最近、『東京湾の魚類』(平凡社 2011年発行)という本を読み、ちょっとした発見をしました。

この本は東京湾で確認、そして記録された魚を写真付きで解説している本です。
これによると、ブリは「明治から昭和30年代まで、夏になると湾奥まで大型個体が回遊してくることがある」
という記録があり、またサワラの項目には「明治40年(1907)から昭和元年(1926)には浦安沖水深7~9mでサワラ漁が行われており、大正12~13年(1923~24)には、1年で150トンの漁獲があった」という記録があるようです。

これを読んでなんだかホッとしました。
数年前から突然、ブリやタチウオ、サワラが湾奥で獲れるようになったのが、異常気象による影響かと私は不安に思っていたのですが、100年前の東京湾奥にはこれらの魚が普通に回遊して来ていたのです。
逆に、これらが回遊してこなかった数年前までが東京湾の異常事態だったのかもしれません。

なんて言ってみたけどまあ結局、やっぱ海はわからねえなあ。

2019.9.14 台風15号

9日未明、台風15号が関東を直撃、近年まれにみる勢力のまま上陸、通過していきました。

船橋市の私の周辺ではたいした被害はありませんでしたが、仲間の実家がある千葉中部や南部では家屋に相当なダメージを被ったうえに、いまだに断水、停電したままの場所が多くあり、速やかな復旧が望まれます。

台風が過ぎ去った11日の夜、ちょっとナギたので出漁しました。
しかし台風と豪雨の影響により潮流が非常に速く、また流木や草木などの浮遊物がとても多く海に流れ出してきており、まともに漁ができる状態ではなかったので、網を一回張っただけで帰港しました。

港近くの水門の扉にひっかかった、川から流れてきたゴミ。
こんなものが海面いっぱいに浮いています。
網に入るといちいち取り除かねばならないので、手間がかかります。

この台風がくる直前の日は、船橋ではスズキとサバが多く獲れて活気があったのですが、その状況も海がかき回されたことで先行きが怪しくなりました。
これから台風のシーズン到来だし、今月はどれほど出漁できるのか、そして魚は獲れるのか、相変わらず先の見えない日々です。

2019.8.30 コショウダイ

今年の夏はコショウダイがよく網に入ります。

コショウダイは鯛と名がつくだけあって、マダイとかなり似ています。

色柄の他に目立つ違いは胸ビレでしょうか。マダイはシュッと鋭く長いのに対し、コショウダイのは短く幅広ですね。

しかし顔つきはかなり似ているかと思います。
コショウダイを赤く塗ったら、マダイとして通用するんじゃないかと思うほどです。

ちなみにマダイは「スズキ目タイ科」ですが、コショウダイは「スズキ目イサキ科」に属します。
コショウダイ、顔はマダイにそっくりなのに、生物学的にはイサキ寄りってのがおもしろいです。

この魚は昔からまあ獲れるには獲れていましたが、せいぜい月に1尾程度という頻度でした。
それが今年は一日に数尾獲れる日が連続しました。
毎年、なにがしか、一つの魚種が多く「湧く(獲れる)」ことはあります。一昨年の夏は小さなトラフグが大量に獲れました。
だから、なにかがちょっと多く獲れた程度では私は最近は驚かなくなりました。
「まあ、そういうこともあるんだろうな」という感じです。

このコショウダイ、私の回りでは今まで誰も食べたことがありませんでした。
なのでどんな味か知らなかったのですが、最近、テレビで「おいしい魚である」と紹介されたみたいです。

そこで私も食べてみました。
写真の50cm、1.6㎏のものをいただきました。
刺身と塩焼きで食べましたが、とてもうまかったです。

この魚、味はとても良いのに、かなり安いのです。写真の50センチのものなど、まあまあ立派なサイズですが、これで600円程です。
安すぎます。
なんでこんなに安いのか。
今回、この記事を書くにあたりコショウダイについて調べたところ、この魚には寄生虫が付きやすいのだそうです。
私が今回食べた個体には居なかったので気づきませんでした。

魚につく寄生虫といえば有名なのはアニサキスです。
よく、イカやカツオについている、細長く、人間の体内に入ると激しい腹痛を起こすというヤツです。
しかしこのコショウダイにつくのはアニサキスではなく、
ディディモゾイド という寄生虫です。
「ディディモゾイド」
もうね、悪逆非道の限りを尽くしそうな感じですね。名前と語感からして。
ところが意外にも人体には全く無害だそうです。
私が捌いた個体には居なかったので、このディディモゾイドの画像はありませんが、興味のある方はネットで画像検索してください。
キモイです。

コショウダイの相場が安い理由は、この寄生虫が理由なのかもしれません。
味は非常に良いのです。
しかし、かなりの確率で寄生虫がいるとなると、やはり敬遠されてしまうでしょうね。

こんなことを書いてしまって購買意欲がそがれてしまうかもしれませんが、知らずにコショウダイを買って捌いて虫を見つけてしまったら、相当なショックを受けることでしょう。
最初から「居る」と思っていた方がダメージは小さいはずです。
「虫がいてもその部分さえ取り除けば問題ないじゃん」
というタイプの方は、コショウダイを見かけたらぜひ買ってください。大変おいしい魚です。