2016・8・23 

昨日、台風9号が関東を直撃しました。
最大風速などの数値を見る限りではたいした強さではないと思っていたのですが、やはり直撃となると侮れない風雨でした。
さて台風一過の本日、23日21時、東京湾はたいした風はなく、もうナギです。
しかし出港しませんでした。
なぜかというと。

陸上で大雨が降るとその水は川から海に流れ込み、すると海の潮の流れがとても速くなってしまうのです。
潮が速いと、網を張っても海中に投じた網がメチャクチャな形になってしまい、魚がうまく獲れません。
また、川から流木などが大量に流されてきて海面に漂っているので危険なのです。
夜に出港なのでただでさえ海上は真っ暗なうえに、船はすべて基本、無灯火で走ります。
(自船の存在を示す航海灯は常に点いていますが、車のように前方を照らすヘッドライトというものがありません。)
船の速度は時速25キロ程度ですが、それでも流木に当たれば無傷ではすみません。

まあ、魚が獲れているならこんな事はおかまいなしで出港するのですが、、、
とにかく今年はスズキ漁が芳しくありません。
私達、船橋漁師だけでなく、東京湾全体でも獲れていないのです。

魚が獲れるアテがなく、海面の状態も良くない。
このような理由で今日は時化でした.

参ります。スズキの旬は夏なので、今後は相場が下がってしまいます。獲れないうえに安くなるなんて、もう目も当てられない状況です。
あとはもう、サバかイワシが回遊してきてくれるのを期待するしかありません。
漁師はつくづく、自然相手で先の見えない商売です。