2026.5.16 初漁の一番目

4月いっぱいの整備期間を終え、5月6日に1カ月ぶりの漁に出ました。

毎年の事ですがこの一カ月ぶりの出港の1番目の網を張る時、私はとても緊張します。

私達の使う全長750メートルの網(あみ)には、揚網(ようもう)作業の為に100本以上の綱(つな)がついています。その綱ツナは網アミの補修の際に全部取り外し、補修が終わってからまた取り付けます。

取り付けの際にこの綱ツナの取り付け位置や順番を間違えて絡まったりしてしまうと、網アミを張る時に大きなトラブルを起こし、網アミが切れてしまうおそれがあります。

逆網(サカアミ)の綱ツナの取り付けは私の仕事です。

1カ月かけて新品同様くらいにきれいに仕上げた網アミを私のミスでビリビリに破いてしまったら、もう当分の間立ち直れません。

取り付けにミスがあったかどうかは網を張るまでわからないので、1回目の網がトラブルなく揚がりきるまで、私はいつも落ち着きません。

まあ私が心配性なだけでそんなトラブルはそうそう起こらず、無事に初日の漁を終えました。

初日はスズキとコハダがほどほどに漁獲でき、その後も海の様子はそれほど悪くありません。
しかし例年に比べて魚の売れ行きがかんばしく無いうえ、更に中東情勢の悪化の影響もあり漁にはまだ活気が出てきません。

中東情勢の影響とは船の燃料費は言うに及ばず、我々の商売に必要不可欠な発泡スチロールの値段が3割以上もあがってしまったことです。

鮮魚を出荷、販売するうえで必需品の発泡スチロール、原料は石油です。
スズキにしろコハダにしろ他の魚にしろ、水揚げした魚は殆どの魚種を港で発泡スチロールに詰めてから市場に出荷します。

発砲スチロールの費用はこちら側(水産会社)持ちです。
つまり魚の卸値に含まれるわけですが、ただでさえ魚の売れ行きがよくないのに発泡スチロールの値上げ分を転嫁しようものなら、一層売れなくなってしまうでしょう。

天井まで高く積み上げられた大量の発泡スチロールですが、魚種と漁獲量次第では2回の漁で使い切ってしまいます。

必需品の値上がりは本当にどの業界にとっても死活問題ですし、早く落ち着いてほしいものです。