数日前、河口近くで網を張ったらこんなものが獲れました。
何かおわかりでしょうか。
ひょろ長い胴体にエラあたりがふっくらとした顔つきから、ウナギと思われる方が多いのではないでしょうか。
では顔はというと、こんな感じです。
この顔を見て、「ん?ウナギと違うな」と思われたならなかなか鋭い方です。
この魚はホタテウミヘビです。
名前にウミヘビと入ってはいますが、ウナギ目ウミヘビ科に属し生物学的にはウナギの仲間です。
元気が良くてウネウネするもんでうまく測れませんでしたが、全長80cmくらいあると思います。
ちなみに普通のウナギの顔はこうです。
ホタテウミヘビは顔や口の周辺に模様がありますが、ウナギにはありません。
なので顔をみれば区別はつきます。
区別の仕方は他にもあります。
身の質感がホタテウミヘビはウナギに比べてずっと硬質なのです。
例えばウナギをつついた時の質感を、普通の人の腕をつついた感覚とします。
ホタテウミヘビをつついた時の感覚は、ゴリゴリのマッチョが全力で筋肉に力を込めてポージングしているその腕をつつくような感じです。
ウナギは柔らかみがあるのに対し、ホタテウミヘビは硬質ゴムのような硬さです。
ホタテウミヘビは毒などなく、ウナギの仲間ということもあってか味はおいしいらしいです。
しかし、骨が硬いうえに全身に張り巡らされており、とても食べられたものではないようです。
先ほど「元気が良くて全長がうまく測れない」と書きましたが、実はこの魚、漁獲されてから4時間ほど野締めの状態にありました。
コハダの入った網に紛れており、コハダと共に野締めにされていたのです。野締めは普通の魚はすぐに死んでしまいます。
それが選別の際に見つかって、売り物にならないのでゴミ箱に入れられていました。
私がブログネタにしようとゴミ箱から取り出したらピクリと動いたので、試しに水槽に入れたら息を吹き返して元気になったのです。
ウナギと同じように皮膚呼吸ができるのかもしれません。
撮影後に海に離したら、元気に泳ぎ去っていきました。