仲間がアカエイに足を刺されました。
船のデッキ上で、大量のコノシロとクラゲの下に埋もれて見えなかったアカエイを踏んでしまい刺されたようです。
長靴をたやすく貫いた針は足の側面に深々と刺さり、大変痛そうでした。
思えば船団で仲間がエイに深く刺されたのは数年ぶりで、その苦しみようを久し振りに目の当たりにしてエイの危険性を再認識しました。
ただ、危険とはいってもエイから攻撃を仕掛けてくることはありません。
事故は、お互いが接近に気付かず触れ合ってしまった場合に起こります。
姿が見えない場合の対処法はありませんが、陸上で本体が見えている場合の安全な持ち方についてならば私達にはノウハウがあります。
持ち方は二つあり、噴水孔に指をいれるか、尾の先端を掴む方法です。
それぞれ長所と短所がありますが、まずは噴水孔から説明します。
噴水孔とは体の上面の前部、目のすぐ後ろにある二つの穴で、人間でいう鼻のようなものです。
ここに親指と中指を入れると大変持ちやすく、投げるのも楽なのですぐに海に返せます。
短所は、尾はフリーなのでエイはブンブン振り回すので、尾の可動範囲を見切っていないと自分にも周囲にも危険を及ぼすことです。
尾の先端をつかむのは、細くて動く先端をキャッチするのがちょっと難しいうえに毒針が近いので少々危険です。
しかしエイの尾はしなやかに動くもののパワーは全くないので、一度しっかりとつかんで持ち上げてしまえば、もう危険はありません。
噴水孔、尾、どちらをつかむにしても、自分の体がエイの上方向にあると刺される恐れがあります。
緑の範囲くらいが毒針の到達距離で、背面のほとんどは危険区域です。
なので前後方向、水平方向からつかみに行くのが安全です。