秋口になってからサゴシがよく獲れます。
サゴシとはサワラの小さいもののことです。
ネットで調べると、50センチまでをサゴシ、70センチまでをヤナギ、それ以上をサワラと呼ぶのが一つの目安のようです。
ちなみに私、今回の記事を書くために調べるまで「ヤナギ」という呼称を知りませんでした。私のまわりでは卸会社の人も含め、この魚に対して「サワラ」と「サゴシ」という区別しかしません。その前提で話をすすめていきます。
魚のサイズ別の呼称に統一規格はありません。
この写真のものは70センチあります。
通常ならサワラとして出荷されるサイズなのですが、11月初旬のこの日はサゴシで出荷されました。
今年は全国的にサワラ・サゴシの水揚げが多いそうです。
そうなると売れるのは必然的に鮮度とサイズがより良いものとなります。
サゴシからサワラへ昇格するハードルの高さはその時の漁獲の中で相対的に判断される場合が多く、漁獲が少ない時にはサワラとして充分に認められるサイズのものでも、多いとサゴシ扱いになってしまいます。
この魚は大きいほど脂がのって価値が高いので、サワラとサゴシでは単価が大きく違ってきます。
ここでちょっと不便なことがあります。
「サゴシ」のサイズの範囲が広すぎるのです。
40センチくらいのものが獲れることがありますが、サワラとしては小さすぎるので価値は低いです。しかしその小さいものも70センチの大きいものも、どちらも名称は同じ「サゴシ」です。
それゆえ「サゴシが獲れた」といっても、詳細を聞かねばその魚体のサイズがどれくらいなのか、わかりづらいということです。
スズキならば、セイゴ フッコ スズキ
ブリなら ワカシ イナダ ワラサ ブリというように区別されており、名称を聞けばだいたいの大きさの目安はつきます。
日本中の漁師および魚屋に「サゴシを用意してくれ」と言ったら、どうなるだろう。
いったい上から下でどれだけサイズに幅が出るのか、気になるところです。
それぞれの立場や状況によってかなりの差異が出ることでしょうな。