2019.1.31 時化

今月は強風の日が多く、出港できたのは4回のみでした。
今の時期は昔から時化が多いので、数年前までは1月、2月は出漁はせず、船の整備と網の補修をしていました。
それゆえ1月は時化が多いのは最初から織り込み済みであり、今月の時化の日は網仕事をしっかりとやり働きました。
一応書いておかないと、一か月に4日しか仕事をしていないと勘違いされてしまいそうなので、念のために。

出漁した日は全て、コノシロ狙いです。
結果は運搬船が満杯の日と、空っぽの日がそれぞれありましたが、トータルで考えると1月としては良い成果と言えると思います。

ちなみに運搬船が空っぽ、つまり魚が全く獲れないで帰港した日もある訳ですが、魚が居なかったのではありません。
今の時期でも東京湾に魚はたくさんいます。魚群探知機には度々、大きな反応が映ります。
しかしこの大きな反応を狙って網を張っても、網には何も入らない。なぜか。
魚群探知機の故障ではありません。

答えは、魚探(ギョタン、魚群探知機の略称)に映ったのはカタクチイワシの群れだからです。
魚探にはっきりと映るほど大量にいるけど、一匹一匹ははこのように小さく、網からすり抜けていくのです。

このカタクチイワシのことを、私達は「シコイワシ、ヒコイワシ」、
略して「シコ」「ヒコ」と呼びます。
味はおいしく、人間だけではなく養殖魚や釣りの餌としても需要は多くあります。
使う網を替えればこのシコも漁獲できて稼ぎになります。
やるのは簡単ですが、私達がカタクチイワシを狙うことはありません。
私達にとって獲れて嬉しい魚はやはり、スズキです。
そのスズキを育て、そして居つかせる為には、シコは大事なのです。

ちなみにこのシコの写真は二か月ほど前に撮ったものです。
ここ数年はこの程度の小さなシコなので良いのですが、年によっては湾内でシコが大きく育つこともあります。大きく育ってちょうど網の目と同じ大きさになり、網に大量のシコが刺さって苦労したこともあります。

ほんとに、自然は加減をしてくれませんね。