スズキ漁が不調です。例年の半分くらいしか獲れません。
夏はスズキの旬です。身が分厚くなり味が乗り、一年で一番おいしくなる時期です。
「スズキの洗い」のように、刺身を氷水で締めるという清涼感あふれる料理法もあり、需要が多くなって相場が高くなる時期なのです。
そのスズキがメインターゲットの船橋漁師としては、ほんとに困る事態です。
しかし獲れないからといって、沖に出なければそれこそ一銭の稼ぎにもならないので、出漁してはたいした成果の上がらない日が続いていました。
そこへ、遠い漁場でサバがちょくちょく獲れているという情報が入り、我が船団のオキエ(親方)はサバに狙いを変えました。
これはちょっとした賭けです。
なぜ賭けなのかというと、「ちょくちょく獲れている」というのがネックなのです。
大きな群れが回遊してきているわけではないようなので、行けば必ず獲れるとは限らないのです。そして遠い漁場なので、群れがいなければ時間と燃料の浪費になってしまうのです。
事実、2回、徒労に終わりました。
が、オキエは諦めずにサバにBET。そして三度目の正直で今回、群れを捕らえました。
良いサバです。
正直に言うと、通常秋口に回遊してくるサバに比べれば量は少ないのですが、しかし前述の通りスズキが獲れていない目下の状況としては、今回のサバの水揚げは潤いを与えてくれます。
オキエは賭けで勝ちました。
しかし、、、海がおかしいです。
今回サバが獲れたのはもちろん嬉しいのですが、私の中の漁師カレンダーでは、例年の今の時期は毎日スズキ狙いでそれなりの漁獲があり、サバは9月くらいからというのが決まりなのですが。。。
まあ漁師の相手は海と生き物、自然です。何があるかわかりません。どこに魚がいるか、何が回遊してくるか、確証は何もありません。ほんとにギャンブルみたいな商売だと私は思っています。