2018.11.17 ワラサ

海の様子がおかしいです。
私がこのブログを受け持ったのは三年前ですが、その頃あたりから、この言葉を使うことが多くなってきた気がします。

今回は何がおかしいのかというと、最近ワラサがちょいちょい網に入るのです。

これは65センチ、3.8キロあります
ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
ブリの一歩手前の大きさで、このワラサクラスになるともはやスーパーなどでは一匹丸ごとでは売りに出さないかと思います。普通の家庭では持てあましちゃう大きさですね。
このワラサのさらに一歩前のイナダは昔から秋に多く獲れていましたが、ワラサは年に数匹しか取れませんでした。
それが今年はイナダは春に獲れ秋には来ず、初冬になってワラサが獲れるのです。
もうメチャクチャです。何が獲れて何が獲れなくなるのか、私の今までの経験からはさっぱり予測がつきません。
まあ難しいことはあまり深く考えずにワラサに目を向けます。
日頃、スズキを見慣れている私からすると、ワラサは全長に対しての体の丸みが大きく、いかにも脂があっておいしそうです。
実際に食いましたが、とてもおいしかったです。

ブリの味は誰もが知るところだろうし、今回はちょっと変わった部位を取り上げます。

まな板の右上の、なんだかシワシワしたやつ。
これは胃袋です。

よく洗って焼き、

塩を振っていただきます。これで1匹分です。

胃袋の食感はおもしろいです。
クニャクニャだけどコリコリ。
柔らかいけど噛み応えがあります。
味はやはり内臓だけあって、焼き肉屋の牛ホルモンなどに似ています。もちろん、味の濃さは及ぶべくもないですが。
そして飲み込んだ後はさっぱりしていて、後味はスッと消えます。不思議な感覚です。
まさに珍味といえるでしょう。
ただ上の写真の通り、ワラサほどの大きな魚からでもほんのちょっとしか取れないし、そもそも丸ごと一匹入手しなければならない。普通の家庭ではなかなか難しいとは思いますが、機会があれば食べてみてください。

一つだけ注意点をあげると、もし丸ごとの魚を入手して胃袋を調理する場合には、切り開いて内容物を出した後、よく洗ってください。
私は塩を大量にまぶして揉み洗いをし、水で流すのを数回繰り返した後、さらに酒でよく洗います。
ちょっと神経質なくらいに洗ったほうがよいでしょう。胃の内容物や状態にもよりますが、見た目には綺麗に洗ったつもりでも匂いが残っていることがままあります。そうすると臭くて食えたもんじゃありません。

「めんどくせえ!」「たいしてうまくもない物にそんな手間かけてられるか!」という方もおられるでしょう。
ごもっとも。
でもまあ、珍味ってこういうものですよね。

ちなみにワラサ以外でも、スズキでもサワラでも食べられます。機会があればお試し下さい。