イナダが網に200kgほど入り、その中に数尾、少し大きめのサイズも混じりました。
イナダはだいたい60cm、3kgまでとされますが、
この個体は67cmで3.5kgあったので、イナダより大きいワラサと呼んでさしつかえないと思います。
体高も体の厚みもあり悪くない魚と思い捌いてみましたが、結果、あまり脂がありませんでした。
身が全体的に黒っぽい感じだし、引いた皮にも脂のネトツキが見られません。
三枚におろして皮を引いた後の包丁です。
この大きな魚を捌いている途中に一度も拭いていませんが、殆ど脂が付いていません。
脂がない理由は明白で、この個体の胃袋は空っぽで何も入っていませんでした。
胃袋が空っぽなのに見た目は太り気味なのはどういうことかと言えば、これまでは順調に餌を食べて成長しながら回遊していたところ、しばらく餌に巡り合わない期間があり、胃の内容物を消化しきったところを私たちに漁獲されたということなのでしょう。
この個体はたぶん、東京湾に入ってきた直後に漁獲されたのだと思います。
何故ならば今、東京湾、しかも我々の主な漁場の東京湾奥には、ブリの好むエサが大量にいるからです。
先月の記事でソウメ(小さいマイワシ)が獲れたと書きましたが、その後もソウメは網に混じり続けています。
今月の12日には木更津でイワシが大量に打ち上げられたとニュースになり、そして昨日(16日)は私たちの網にソウメが大量に入り、網の目に刺さってしまい重くて揚げられなくなるトラブルが発生しました。
餌は豊富です!
ブリ及びイワシが好きなフィッシュイーターのお魚さん、是非とも東京湾奥にお出でになって!