今月もコノシロが獲れております。
最近獲れるコノシロは25~6cmと型がよく、そのうえナカズミやコハダといった小さいサイズが混じっていないのでありがたいです。
コノシロ漁をしている漁場には小さいコハダやナカズミの群れも居るのですが、今時期は獲りたくありません。それらが網に入ってしまうと全て逃がすので手間がかかります。
なので、コノシロのみの群れはありがたいのです。
ありがたいけれど一つ、ちょっと大変なことがあります。
コノシロがたくましくなり、網を揚げるのが大変なのです。
全長は去年の暮れとたいして変わらないものの、産卵期が近づいて太ってきており、体のパワーが増しています。
パワーのみならず、生命力もあがっているように感じます。
それと今までは海面方向から逃げようとしていたものが、最近は海底方向に潜っていこうとするのです。
そんなコノシロが網をグイグイ下方向に引っ張るので、網がとても重たく感じます。
先日(2月初旬)、親方が、網の重さからコノシロは30トンくらい入っているだろうと予測したら、いざ運搬船に積み込んだら15トンもなかった、ということがありました。
下がその時の写真なのですが、締めこんだ網がコノシロに引っ張られてまた海に出て行ってしまわないように、仲間達が必死に押さえています。
状況は先ほどの写真と同じで一度締めこんだ網が出ないように若者が押さえているのですが、この網にはコノシロが55トン入っています。
念のため確認しますが、魚の量は上の写真が15トン足らずで下の写真が55トンです。
写真の仲間達の姿勢から力の入れ具合が伝わるでしょうか。
2月の15トン足らずのコノシロに海に引き込まれそうになっているのに、12月の55トンの時は網を足で踏んでいるだけで全然力を使っていません。
なんで今の時期のコノシロはこんなにパワーがあるのか?
残念ながら私は答えを持ち合わせていません。
推測としては、水温がコノシロにとって丁度よく本来の力が出るとか、産卵に備え力が充実してきているとか、そんな程度しか思いつきません。
会長に聞いてみたところ、
「そいつぁコノシロに聞いてみねえとわからんなぁ」
と返ってきました。
ごもっとも。