先月から今月にかけて時化が多く、10月になってからは月初めに一回、そして昨晩と、月の半ばになってもまだ二回しか出港していません。
今年の夏は久し振りにボーナスが出たから少々ゆとりを持っている、などというわけではありません。
単に風が強い日が多いだけです。
しばらく間が開いてからの出港だと、海の様子がけっこう変わることがあります。
特に季節の変わり目の今など、秋らしい回遊魚が入ってきていないかと期待が高まります。
結果としては期待していたイナダはいなかったのですが、珍しい魚が入りました。
シイラです。
年に数尾程度、小さいものが入ります。
今回の個体は50cmあり、我々の網に入る魚としてはまあまあ大きい部類といえるでしょう。
しかしご覧の通り薄っぺらく全長の割には軽いので、持ってみると何となく貧相に感じてしまいます。
ですが実際は釣りで針にかかると引きは強く、そして2メートルにも成長する力強い魚なのです。
シイラは近所のスーパーなどでは全く見かけないし、日本においてはそれほどメジャーな食材として扱われていないと思います。
しかし外国では高級魚扱いするところもあるほど人気があるようです。
これが私にはちょっと不思議に思えます。
こと魚介類に関して、外国で人気なのに日本ではそうでないことがあるなんて。
その逆ならわかるのです。例えばフグとか、魚ではないけれどタコとか。
海外では見向きもされないけれど日本人は好き、というものは多いと思うのです。
シイラを捌いたところがこちら。
刺身の写真を撮り忘れてしまいましたが、クセもなくおいしい万人に向く味でした。
食べてみて思ったのは、普通においしい。けれど、特に秀でた何かがあるわけでなし、というところです。
そして今、気づいたのですが、もしやこの魚も歩留まりの問題があるとか?
頭がデカいうえに体は扁平しているので、歩留まりが良くなさそうに見えます。
そうなると、他においしいうえに歩留まりも良い魚がたくさんいる日本では、影が薄くなってしまうのでは。
まあ本当のところはわかりませんので、気になる方はご自身で研究なさってください。