2023.8.13 台風7号 漁の近況

台風7号が日本に迫っています。
私たちのお盆休み前の集合時時点では関東に直撃との可能性が報じられていた為、荒天準備をして係船索を通常の倍に増やしました。

(わかりづらいでしょうが、通常時の係船索は3cm程の太さの綱を一本だけですが、全船、同じ場所に同じ太さの綱をもう一本追加しています)

しかし日を追うごとに予報は変わり、台風7号は当初の予測より西にそれ、関東に影響はさほど無さそうになりました。
とはいえ今度は関西に直撃する様子なので、全くもって喜べる話ではありません。

まあ9,10月になればどのみち関東にも来るでしょうし、備えは怠らずにいようと思います。
台風は他の天災と違って事前に対策をある程度練れるのが少しは救いかと思います。

8月前半の我々の漁模様ですが、タカ(水深の浅い沿岸部)ではギマが多く、それを避けて沖に出ると今度はミズクラゲが大量に待ち構えているという、前門の虎後門の狼状態でした。

一度、マダイが大量に網に入った時、同時にミズクラゲも大量に網に入ってしまいました。

網の中の魚を運搬船に積むためには、網を小さくすぼめて魚を一か所に集めなければなりません。
するとクラゲも密集してしまい、鯛の泳ぐスペースがなくなってしまいます。
そしてマダイは一尾ずつエアー抜きをしなければならないので、網から船に移すのには時間がかかります。

密集したクラゲの中で思うように動けなくなった鯛は弱ってしまい、網の中で揚がりそうになってしまいました。
アガるというのは活かそうとしたのに死んでしまうことです。

マダイは活けと締めでは価格差が数倍になるのでなるべく活かしたかったのですが、かなりの量を氷締めにせざるをえませんでした。
まあクラゲのせいで動けないだけで普通に生きている魚を一瞬で氷締めにするので、鮮度はバッチリで魚体も綺麗です。
しかし、それでも活けとの価格差は大きく開いてしまいます。

もう、ほんとに。
クラゲとギマは消えてほしいです。