立派なボラが網に入りました。
腹部がだいぶ太いので卵を持っているかのように見えますが、触ってみると張りがなく、中には何もないことが感じ取れました。
このボラを捌いていて不思議だったのが、放卵後にも関わらず魚体に脂がかなりあったことです。
ちょっとわかりづらいですが、魚体中央の白いブワブワしたものは全て脂です。
(本当は脂は内側の側面についていますが、触ったら剥がれて背骨のほうに落ちてしまいました。)
腹のあたりもしっかりと身に厚みがあります。
通常、魚は産卵後にはげっそりと痩せて、脂もなくなり身はまずくなるというのが定説です。
まあ、卵を放出した瞬間に痩せるわけではないだろうから、今回のボラは放卵後すぐに網に入ったのかもしれません。
ボラのウロコはなかなか大きくてかたく、包丁で剥がすと台所中に飛び散って大変です。
上の写真は包丁で片身のウロコを剥がした状態。
コチラはヘラを使って剥がした状態。
ヘラを使うときれいにまとまって剥がせます。
しかしボラのウロコを剥がすにはけっこうな力で魚体にヘラを押し当てる必要があり、身に圧力をかけてしまうので、料理のプロには怒られてしまうかもしれません。
サクにした身は皮目の下の赤さがきれいで、さながら霜降り肉のようです。
刺身、塩焼き、煮付け、なんでもおいしいです。
ボラは水質や底質の影響を受けやすいので、夏場のプランクトンが多く濁った海の時期には、匂いが強かったりします。
しかし寒く澄んだ水質の今の時期のボラは、匂いは皆無で絶品です。
寒ボラを見かけたら是非ともご賞味いただきたいです。