コノシロ漁を継続しています。
今のところ出漁回数は少ないですが、出れば獲れるのでありがたいです。
去年の12月は10回出漁し、年末までコノシロは獲れつづけたので、今月も同じように獲れればと希望をもっております。
コノシロが獲れるのはありがたいのですが、今年は「ジャコ」が非常に多く、だいぶ苦労を強いられています。
「ジャコ」とはコハダのことです。
私たちが現在ターゲットにしているコノシロは、水産加工業者に引き取ってもらっています。
加工業者には、コノシロは大きいほど喜ばれ、小さいものは敬遠されます。
理由は聞いたことがないので私の推測ですが、要は処理の効率の問題なのではと思います。
機械にしろ人手にしろ、1尾の魚を捌いたときに取れる加食部の量は、全長に対する重量は倍以上の比率で上がっていきます。
10cmのコハダと20cmのコノシロでは、捌く手間はさほど変らなくても、加食部の重量に2倍以上の差がでます。
イワシやサバなどであれば、全長に関係なくぶつ切りにして缶詰にできるでしょうが、コノシロをぶつ切りにした缶詰はありません。
やはりコノシロ系は捌く必要があると思われ、そうなれば大きいほうが効率が良し、となるのではと思います。
現在、私たちは去年とほぼ同じ漁場で働いていますが、去年はこの漁場にはコノシロしかおらず、魚群探知機に大きな反応が映ればすぐに網を張れました。
しかし今年はこの漁場にジャコが大量に発生し、大きな魚群を作っているのです。
今年は、「コノシロ」、「ジャコ」、「コノシロとジャコの混じり」の魚群が存在します。(あとカタクチイワシも大量に居ますが、網の目をすり抜けるサイズなので問題にはなりません)
親方と運搬船の船長が使っている魚群探知機は、群れの中の魚のサイズがわかる高性能なものですが、さすがにコノシロとコハダはサイズが近すぎて見分けがつけがたいそうです。
網を張って入ったのがジャコの大群だった場合、全部逃がすので、時間も手間もだいぶ無駄になります。
今、船橋では、3つの船団がコノシロを狙って漁をしています。
そうすると、どこかの船が網を張るのを待ち、その結果を見て判断するという戦法も考えられます。
しかし、それは必ずしもうまくいくとは限りません。
なぜならこれらの魚群は近距離で混在していることが多いのです。
どこかの船がコノシロが大漁でも、そのすぐ横で網を張ってもそちらはジャコが大量ということが往々にして起こります。
コノシロは月単位でみると継続的に獲れてはいますが、一日単位でみると、その日に一番早くコノシロの魚群を見つけた船が量的に優位な傾向があります。
網は早く張りたいけどジャコは嫌だ。しかし魚群探知機ではサイズが判断できない。
そこで親方が苦肉の策で実行したのが、コレ。
船の舷側から竿を出して、釣りです。
これで魚探ではわからない群れのサイズを把握しよう!という考えです。
これまでに2回、竿をだして釣りをしてみましたが、釣れたのはカタクチイワシ1尾のみでした。
結局いまのところ、確証の持てないままに「コノシロっぽい」反応で網を張るしかありません。
実は釣りの他に一つ作戦があるのですが、それはまだ実行していないので、いずれまた。