コノシロがだいぶ少なくなりました。
いるにはいるのですが、群れが小さく一回の網で獲れる量が減ったうえ群れ自体も多くない。
思えば去年の11月半ばから獲れはじめ、12月、1月とコノシロとしては良い漁獲をあげることができたので、私としては充分ありがたい気持ちです。
季節が変わって海の様子も変化してきて、コノシロの群れを狙った網の中に、コハダやナカズミが混じるようになりました。
コハダ・ナカズミとはコノシロの成長前の呼び名です。
同じ網に入ったコハダ・ナカズミ・コノシロは、用途によって売り先と価格が大幅に違うので選別をします。
コノシロの中から皆で小さいコハダを拾っています。
この日のコハダ1キロ当たりの相場は、コノシロの30倍でした。
コハダは高く売れるのでありがたいのですが、需要はそれほど多くありません。
この写真を撮った日はコハダが多く入り、鮮魚として高価格を保って出荷できる量を超えていました。
こういう場合、超過分のコハダは加工屋にいきます。
ここで価値の逆転がおこり、コハダはコノシロよりも安くなります。
1尾の魚としてみればコハダよりコノシロのほうがお肉がずっと多いのだから、うなずける話だと思います。
こんな時は親方のお許しが出るので、もらって帰って酢締めにします。
50尾近くさばいて、塩を振ってしばらく置き、洗って酢に漬けて、とやっていくと、2時間以上かかっちゃいます。
手間はかかりますが酢締めはほんとうにおいしいです。やはりこんなことを考えつく昔の人はすごいとしみじみ思います。
問題はひとつ。作るのに時間がかかるけど、食うと一瞬でなくなっちゃうんだよね。
とまあ、とりあえず私たちは今のところ通常とたいして変わらず仕事をできていますが、これからしばらく先はどうなっちゃうんでしょう。
アメリカとイタリアの例をみるに日本においても今後、コロナの脅威は増す一方だと私は思います。
来月、再来月あたりも、能天気な記事を書きたいものです。