3年に一度くらいの頻度でウミガメが網に入ります。
売り物にはならないだろうし、葛西臨海公園も要らないというので、海に返します。
この写真の個体は小さめなので二人で抱えてますが、もっと大きいのは3人がかりで持ち上げることもあります。
私も何回か持ちましたが、その度にかなりドキドキします。
クチバシがこわいのです。
ウミガメって、眠たげなかわいい顔をしているし、性格も穏やかそうですが、、、
しかし実際にそのクチバシを目の当たりにすると、硬質なうえ分厚く、そして鋭く、噛まれたら手首くらい切られちゃうだろうな、、、と、潜在的攻撃力の高さがひしひしと伝わってきます。
スッポンは1度噛みついたら離さないとか聞くし、たまにニュースで「カミツキガメを捕獲」なんてやってますし、私としては「おとなしそうなウミガメでも野生だし、怒ったら噛みついてくるんじゃないか」という恐怖感が拭えないのです。
まあでも今までのところ5回、ウミガメを逃がしてますが、誰も噛まれていません。
それで最近ようやく、ウミガメは噛む気がないな、と思い始めました。
ウミガメはどうやら見た目通りの優しい性格のようです。
かといって相手は野生ですし、何があるかわからないので、ウミガメを見かけてもちょっかいは出さないで下さいね。
昔、うちの船にいた凄腕ベテラン漁師が、
「カメが網に入ったらな、酒を飲ませて海に返すんだお!」
「そうするとな、カメの野郎、涙を流して喜ぶんだお!」
「ほんとのことだお!」
と、いつも言っていました。
~~だお!!というのは、房総半島の方言です。
カメが酒を好きなのかどうかは知りませんが、、、でも私の今までの経験では、ウミガメが入った網には、その時に狙っている魚が通常より多く入っているのです。
ウミガメには大きな魚群と一緒に泳ぐ習性でもあるのかもしれません。
昔の人はカメが魚を呼んでくれると考えて、感謝の気持ちでお酒を振る舞ったのでしょうね。