2025.10.14 イトヒキアジ

イトヒキアジが手に入りました。

知り合いの刺し網漁師が獲ったものですが、オカズにくれるというので貰いました。

巻き網ではごくたまに、しかも手の平くらいのサイズのものしか入ってきません。
今回のような40cmもある大物は初めて見たので驚きました。(最大で全長1メートルにもなるそうです。)
名前の通りヒレの先端から伸びる糸(?)が特徴の魚です。

ネットから得た情報によると、この糸状の部分はクラゲを模して外敵から身を守るためのものと考えられており、成魚になると消えてなくなるそうです。

今回の40cmのものを私は大物と思っていましたが、しっかりと糸があるのでイトヒキアジとしてはまだまだ小物だったようです。
私は今回初めて食べます。
事前に味について調べると、おいしいけれど小さいものは刺身だと味が薄いという声が多くありました。

とりあえず三枚におろしてから中骨を除き、背身と腹身に分けます。

扁平な体型で腹骨をすき取るのが難しそうなので、背側は刺身で腹側は塩焼きにしました。

ちなみにこの魚はウロコが皮に埋もれているらしく、通常の魚のように包丁でウロコを落とそうと体表をこすってもウロコは剝げません。

上はウロコを剥がすべく尾から頭に向けて体表をこすったものの、ウロコが全く取れなかった包丁です。

ウロコが埋もれているせいで皮を引くのが少し難しいという意見があったうえ、たいていの魚の皮は焼くとおいしいことから、背身の皮はバーナーであぶりました。

食味は言われている通り若干薄味と感じましたが、旨味はしっかりとありました。

私は塩焼きが好みでした。

塩のおかげで水分が抜けて味が凝縮したのか、刺身より旨味が増していておいしかったです。

仲間にも半身を試食してもらいましたが私と同意見で、刺身だと見た目よりあっさりしていたけど、塩焼きはうまかった!と高評価でした。
今回試食をしてくれた仲間は1人なのですが、その1人に行きつくまでに3人に試食を断られました。

他の魚なら普通に食べてくれる人達が皆、

「イトヒキアジの試食?、、、やめとく。」
という反応だったのです。
正直に言って、試食を勧めて断られるとは思っていなかったので意外でした。
理由は聞きそびれましたが、なんだか観賞魚っぽくて食欲がわかないとか、もしや「糸ひき」というネーミングが糸を引く腐敗物という連想に繋がったのかな?などと考察しました。
食材としてこの魚と出会う機会は少ないかと思いますが、入手したら加熱調理をお勧めいたします。