2025.2.15 コノシロ漁 時化の理由

今月は時化が多く、15日現在、まだ一回も出漁していません。

そもそも昔から今の時期は時化が多いので、数年前までは二月は最初から船の整備と網の補修の期間だったし、またそれほど稼ぎになる魚が獲れることもないので、夏場に比べ漁にかける気合は少な目になります。

まあ時化が多いと言っても朝から晩まで風が吹き続けるのではなく、朝は完全な凪だけど昼以降に風が強くなってくる予報がでている日、があります。

午前中は普通に操業して、風が強くなってきたら帰ればいいんじゃないの?と考える向きもあるかもしれません。

スズキ漁ならそれは通じるのですが、コノシロ漁ではリスクを負うことになります。

なぜかというと、網を投じてから揚げて魚を積みこむまでにかかる時間が、スズキ漁は長くても30分程度なのに対し、コノシロ漁では大量に入ってしまうと3時間近くかかってしまうことがあるからです。

例えば3日前の2月12日のことです。

この日は午前中はベタ凪で、午後から大風(おおかぜ)になるという予報なので、出港しませんでした。

実際の海上保安庁の風速のデータをご覧ください。
下から上に30分刻みで時刻が進んでいきます。
(私達の小型二艘巻き網では、風速8メートル前後が時化のラインになります。)

朝6時半から昼の13時半まではずっと凪ていたのに、14時までの30分の間に急に強い南西の風が吹いてきて、16時には風速19メートルという台風並みの風になりました。

巻き網漁船は当然ながら、一度海中に網を投じたら網を揚げ終えるまでその場を動けません。

動けない状態で台風並みの風を受けたら危険です。

天気予報はよく当たりますが、実際に風の吹いてくる時間は数時間単位で前後することもあります。

風が吹いてくるのが予報より遅い分にはいいですが、早く吹いてきてしまったら、そしてその時に網を張っていたら、かなり危険です。

このように、コノシロ漁では少し先の予測もすることも必要なので、時化も多くなります。