五月に入って、赤クラゲが大量に網に入るようになりました。
赤クラゲは毎年必ず今くらいの時期から発生するのはわかっているのですが、ここ数年、どうも発生量が増加しているように感じます。
特に今年は今までで最大の発生量と感じます。これは私だけでなく、同じ海域で働いている他の漁師達と話しても、やはり今年は過去最高じゃないか、と言っています。
過去にアカクラゲについて書いたことがあったので記事を探したら、2年前の4月と5月にありました。
2017.5.17 アカクラゲ 魚編
その2年前の文中でも、「毎年増加しているが、今年は今までで一番多い」と、今回と同じことを書いていました。
なんだか、具体的なデータも出さずに毎年毎年「過去最高の量!」と言っていると、「去年も同じこと言っていたじゃないか。大げさに騒ぎすぎなんだろ」と思われるかもしれません。
赤クラゲの量なんて把握するすべがないので、自分の感覚で言うしかないので仕方がありませんが、まあとにかく、ほんとうに今年も「過去最大量」の赤クラゲです。
その量を見てもらおうと写真を撮りましたが、今回はなんだかあまりうまくいきませんでした。以前の記事の写真の方がよく良く撮れています。
そろそろスズキが旬にむけて脂がついてきているので、今までは船上で氷締めにしていたのを活かして持って帰るようになりました。
「アカクラゲ 魚編」の記事で書いたように、赤クラゲと一緒に網に入ったスズキを活かして持って帰るのは大変です。
運搬船の船長と、運搬船に曳航されて走る伝馬船の船長が2人で、数百~1000尾のスズキの面倒をみます。
網船が網を絞り込み、運搬船に魚を移す際に、
「活けの魚は野締め(氷締め)の魚より価値が高い」
「生きているのを締めるのはいつでもできる。逆は無理」
という理由から、網に入ったスズキは赤クラゲを吸って弱っていようとも、とりあえず活魚水槽に入れられます。
この魚を運搬船に揚げる作業は乗組員全員でやりますが、積み終えれば網船の乗員は次の網の為に運搬船を離れます、。
そうすると、アガリを氷締めにしたり、クラゲや魚の吐き出しで汚れた水槽の水を綺麗にしたり等、スズキの面倒をみるのは基本的に運搬船の船長と伝馬船の乗員の二人きりになります。
しかも、網船が次の網を張ると伝馬船はそのサポートの為に運搬船を離れるので、運搬船船長は一人で魚の面倒を見つつ、他の仕事もしなければなりません。
大変な仕事で、沖にいる間は休む間がありません。
これは普段からこのような作業体制ではありますが、赤クラゲがいると苦労の度合いが一層増してしまうのです。
ほんとにもう、赤クラゲは迷惑な生物です。
かといって発生を阻止するような対策なんてありそうもないし、どうしたらいいものか。
なんなら有効活用に道を見いだすしかないか?と考えたこともありますが、その話はまたいずれ。