2020.4.28 コノシロの酢締め

今月はまだ2回しか出漁していません。 
事情についてはコロナ禍の影響であると前回書きました。
それ以降、特に状況に変化はありません。

一週間まえに出漁した日ですが、3回網を張り、コノシロが少し入った網がありました。2~3トンほどいたと思います。
しかしその網には同時にミズクラゲとアカクラゲもけっこう入っており、結局船にあげることなく逃がしました。
理由は親方には聞いていませんが、選別の手間に対する利益があまりに少ないからだと思います。
小さい群れでも数多くそこら中に居るのであれば、網の回数を多くしてコノシロを溜めていくという手がありますが、その日はさんざんあちこちを探し回ってやっとそれだけの量だったので、その後に獲れる見込みがありませんでした。
中途半端な量のコノシロを持ち帰ると、輸送の手間などで逆にマイナスになってしまいます。

その日は最終的に、水揚げはゼロで漁を終えました。

しかし網に出口を作って魚を逃がしている時に、運搬船の船長が、コノシロを少しみんなのオカズ用にと獲ってくれました。
帰り際に欲しい者たちで分けたのですが、、、
60尾ありましたが、50尾も残ってしましました。
コハダだとみんなけっこう持って帰るのですが、コノシロだと
「う~~ん、、、俺はいいや」と敬遠するのです。
やはり骨がごついから、というのがその理由です。

今回のコノシロ  頭を落としても22cm
前々回の記事にしたコハダ・ナカズミ 頭つきで15~18cm

それで私が残りを全部もらったのですが、さばいてみたら白子や卵巣が発達中でした。どうやら産卵に向けて栄養を蓄え始めた時期のようで、しかしまだ栄養は身にまわっているという、一番おいしい時期の魚でした。
刺身で食べたときに、コノシロってこんなにおいしかったっけ?と思ったほどでした。

酢締めも作りました。
実は私、コノシロで酢締めを作るのは初めてです。
さすがにこんな大きな魚の骨は溶けないだろうと、思い込んでいたのでやらなかったのですが、結果は見事に成功でした。
ちゃんと骨は溶けて全く口にあたりませんでした。
ただし時間を計ったところ、骨を溶かすには1時間近く酢に漬ける必要があったため、コハダやシンコのような繊細な酢加減はできません。
それでも完成品は充分においしかったです。
今後は私、自信をもって皆様にコノシロの酢締めをお勧めしていこうと思います。