2017.9.28 ギンカガミ

面白い魚が網に入りました。
「ギンカガミ」という名の変わった体型の魚で、東京湾ではめったに見かけることはありません。
まず横から写した写真です。

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普通の魚と比べるとお腹が下方向に大きく膨らんでおり、全体的に丸い。かなりのメタボ体型に見えることでしょう。
しかし、こいつを上から見ると、、、

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このようにペッタンコなのです。
写真ではまあまあ厚みがあるように見えますが、実物を手にするとその薄っぺらさに驚きます。
横から見た時の大きさから全体の大きさを脳が予測しますが、それが裏切られたせいでいっそう細く感じるのかもしれません。
なんというか、画用紙に魚の絵を書いて切り抜いたら、それがそのまま命をもって泳ぎだしたような感じです。
とにかくペラペラ。

こいつはなんでこんな体型なのか、考えてみました。

こんな薄焼きせんべいみたいな体型じゃ、筋肉量が少なすぎて素早い遊泳力など期待しようもない。捕食者に見つかったらアウト。となるとこれは、捕食者から見えづらくするのが目的ではなかろうか。
前後左右上下360度からいつなんどき襲い掛かってくるかわからない敵を、目で見て警戒するには限度がある。睡眠時はそれこそ無防備になるし。
ならば被発見率を低くすればいい。
ギンカガミのこの体型は、体の体積の割りには上下・前後からは棒のようにしか見えない。そのうえ背中は黒っぽく、お腹は銀色と、魚類における迷彩のセオリーもしっかり心得ているから、真横からの敵以外にはかなり見つかりにくいと思われる。

まあなんとも月並みな結論ですが、私に思いつくのはこの程度です。
私がこの魚を見たのは6年前に一匹、そして今月に二匹だけです。
ネットで調べてみても、日本ではそんなに多く獲れる魚ではないようでたいした情報はありませんでした。
味はおいしいらしいです。が、もし生きたギンカガミを手に入れたら、私は食べるより水槽で眺めていたい。
ほんとに漫画チックで面白い形の魚です。