2024.6.15 異色のコノシロ

梅雨入りすらまだですが気温は夏みたいになってきました。

本来ならスズキ漁が活気づいてくる時期ですが、今年は今のところコハダ漁の調子がよいです。

ここ数年、海の様子がだいぶ変わってきて、獲れる魚種や時期に昔のセオリーが通用しなくなってきました。

しかし数年前の自分の記事を読み返すと、そこにも「ここ数年でだいぶ海の様子が変わった」と書いていました。
つまり私の記憶がいい加減で、「ここ数年」と言いつつ実は海の変化はかなり以前から続いていることになりますね。

コハダ漁ですが、コハダだけの群れはなかなか無く、コノシロ、ナカズミも網に一緒に入るので、陸に帰ってから選別します。

選別は屋外でしますが、それを見越して最初から氷を大量に使っているので鮮度に問題はありません。

さて今回のタイトル「異色のコノシロ」の話です。
選別中、網長が私に「変わったコノシロがいたよ。」と2尾の魚をくれました。

その変わったコノシロ2尾と通常のもの1尾を並べました。
上の1尾が普通のコノシロ。

コノシロとしての形状は全く同じですが、網長がくれた2尾は無色、というか、普通のコノシロの帯びている黄色みが無く白黒です。

こんなコノシロは初めて見ました。
ウロコはちゃんと付いていて魚体もしっかりしており、ヒヤメシではありません。
(ヒヤメシとは網に巻かれたり機械に潰されてしまった傷物や、網の中に残って腐敗してしまったものです。)

仲間も誰一人として過去に見たことはありません。

姿かたちや斑点模様など、どこからどう見てもコノシロなので、色素の異常と思われます。

魚の色素異常について調べると、飼育下の熱帯魚がストレス等により色が薄くなる事例があるようです。

しかし、その変色はストレスが継続した環境の元での話です。
今回のコノシロは直前まで自然環境に居たのだし、同じ群れの他の数万尾に異常はありません。

気になるのは、今まで数百万尾というコノシロを見てきた我々が、今回初めて目にした色素異常のコノシロが、同じ網に2尾も居たということです。

1尾だけならイレギュラーな個体が居ただけの話として片付けられますが、複数いたとなるとちょっと事情が変わると思います。

なにかしらの理由で今後は白黒のコノシロが増える、その変化の先触れなのかもしれません。

結局色素がない理由はわかりません。
調べ方すらわかりません。

私にできるのはただ一つ。食べることですな。
同じ日に獲れた同じ大きさのコノシロ、違いは色のみ。

上の2尾が白黒で下が通常のものです。
尾びれに色の違いがハッキリと表れています。
白黒は2尾ともメス、普通のはオスでした。

まずは生で細切りにして食べてみましたが、どちらも同じ味にしか思えませんでした。
残りを酢締めにして食べたら、私の感覚では普通のものがいくらか、ほんとにいくらか味が濃くおいしい気がしました。

左が普通で右が白黒。

点数をつけると普通100点、白黒95点くらいの超接戦です。

まあ正直に言えば、目隠しして口に入れたら私には区別がつきません。
単に異色のもの、しかも白黒なんておいしくなさそう、というバイアスがかかっていただけでしょう。

今後、黄色みのないコノシロはまた現れるのか、注視していこうと思います。

最後に一言。
酢締めの切り方、盛り付けがあまりに雑なのは、早く写真を撮って試食して、お酒を飲みたくて急いでいたからです。

試食後に義務から解放され、ゆっくりお酒を飲みながら食べたコノシロ酢締めは、大変おいしかったのであります。