2018.11.30 サバとワラサ

これは11月初旬のある日に獲れた魚です。
3.8キロのワラサと550グラムのマサバで、一回の網で一緒に獲れたものです。鮮度は抜群なうえにどちらも丸くておいしそうです。
皆さん、この二尾のうち一尾を無料で貰えるとしたら、どちらを選びますか?
私は迷わずワラサを選びます。
サバとブリ、どちらが好きかと聞けば意見は半々に分かれると思うけど、だいたいの人はどちらもそれなりにおいしく食べられることでしょう。そうなるとこの二択では、身の量が圧倒的に多いワラサを選ぶ人が多いのではなかろうかと思います。
量のみならず、ワラサの方が大きくて立派だし、高そうだから貰う!という人もいるかもしれません。

なんでいきなりそんな問いを発したかといいますと。
実はこの写真の2尾、ほぼ同じ値段なのです。
ぶっちゃけると、どちらも750円くらい。
信じられます?
私はこの値段を聞いた時、あまりのサバの高値とワラサの安値に耳を疑いました。
世間的にはサバは大衆魚でブリは高級魚という扱いなのに、逆転しちゃってます。

魚の値段は旬や漁獲量によって刻々と変化します。
このころは市場でサバが不足しており、マサバは特にかなりの高値で取引されたようです。
ワラサに関しては、もともとブリ系は全国で獲れるうえに養殖も盛んなので、以前から私達が獲ったイナダなどは天然物とはいえたいした値段はしてません。それゆえ、今回のワラサもさほど高値がつくとは期待してませんでした。
が、しかし、両手で抱えられるほどの立派な魚が、まさか1尾1000円もしないとは思いもよりませんでした。

値段の差は味の差?
このワラサを食べてみたら、外食で食べるブリに比べるといくらか脂が少なく、あっさりとしていました。しかし物足りないということではなく、脂が強すぎるものより飽きずにたくさん食べられるおいしさでした。
一方のサバは、私は食べていないので味はわかりません。
末端価格では数千円になるのだから、それほど払っても食べたい人がいるほどのおいしさなのでしょう。
数千円のサバを食べるって、どんな人なんだろう?
赤坂の料亭で政治家たちが密談しながら、「おぬしもワルよのう。ぬふふふふ、、、」とか言いながら〆サバをつまんだりしてるのかな。

ちなみに今回のワラサ750円というのは、卸会社から漁師に入ってくるものです。市場に出るまでには流通過程で価格はだいぶあがっていきます。いま調べたら、ワラサは豊洲でキロ800円程で取引されてるようです。
キロですぞ。3.8キロなら3040円。まあそれなりと思える値段になっていますね。
そんな訳だから、そこらの市場に行って千円札を差し出して、ワラサをくれ!と言っても相手にされません。ご注意を。